21世紀のサブカル中毒者

タイトルほどの内容はないと思いますが、音楽とか映画とかをつらつら書いていきますので、お時間ありましたら読んでみてください。

「ウルトラマンが泣いている」が素晴らしかった

「ウルトラマンが泣いている」という新書を読みました。

 

これは、初代社長 円谷英二さんの長男の息子さんが書いた

今までの円谷プロについて書かれた本です。

 

私が子供のころは、ウルトラマンの新シリーズは放送されておらず、

ビデオか何かで過去のウルトラマンを見た程度です。

平成ウルトラマンが始まった頃には、すでに小学生も後半か

中学生でしたので、特撮番組を見る年ではなくなっていました。

 

私が特撮に興味を持ったのは、昨年に行われた「特撮博物館」に行ってからです。

興味を持ったと言っても、今まで、特撮を全く見ていなかったので、

興味もなかったのが、少し知識を得た程度で、その後に

何か作品を見たということはありませんでした。

 

私の世代は、テレビでアニメがやっていたり、

ファミコンも出た当初だったり、ビックリマンミニ四駆が流行っていたので、

私の周りの子供は、ウルトラマンには見向きもしていなかったように思います。

(このことも、本書の中で、庵野監督の言葉を引用して指摘されています。)

 

今回、この本では、円谷の経営の苦労が書かれています。

技術は高かったのでしょうが、経営やストーリーを書く人がいなく、

また、同族経営だった部分が大きな障害になっていたようで、

同族同士の足の引っ張りあいについても、この本では多く書かれております。

 

 

また、ウルトラマンの失敗について、経営に関する人がいなく、

放送するたびに赤字がかさんでいた現状があり、

新シリーズのたびに、その時の流行りを入れることで、

ストーリーのブレやウルトラマンのポリシーが揺らいでいたようです。

 

その点についても、ガンダムファンが

「ガンダムは、初期のクオリティやポリシーを守ろうとしている。

実際は失敗した作品も多いんだけど、道を踏み外してはいないと思う」

と語った部分が引用されています。

このことについても、作者は、ガンダムには、ファンと共に作ったという

共有部分があるが、ウルトラマンにはそれが欠けていると語っていました。

 

 

今後のウルトラマンや特撮が

過去の懐かしさ以外のものになってくれたらいいのにとは思いましたが、

この本を読む限り、なかなか難しそうです。

 

ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 (講談社現代新書)

ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 (講談社現代新書)